資産設計保険

保険の選び方入門の入門

保険を選ぶ前に、そもそも何のために保険へ入るのか。入口のさらに手前で押さえておきたい、二つの考え方です。

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保険

保険を考えるとき、商品や保険料の比較から始めてしまうことがあります。しかし、その前に確認しておきたいことが二つあります。保険の目的と、必要保障額です。

保険の目的はリスクヘッジである

保険の目的はリスクヘッジです。すなわち、不測の事態によって生活や資産設計が大きく崩れるリスクを小さくするものが保険です。

「保険に入っているから安心」と考えるのではなく、まずは何が起きたときに困るのか、その損失を自分の貯蓄や公的保障だけで受け止められるのかを考えます。

貯蓄で十分に対応できる小さな損失まで、すべて保険で覆う必要はありません。一方で、発生する確率が低くても、起きたときに家計では負担しきれない大きな損失は、保険で備える意味があります。

要点 1

保険への加入そのものを目的にしない。守りたい暮らしと、家計では受け止めきれないリスクを先に決める。

「保険料はいくらまで払えますか?」から始めない

保険を販売する営業職員から、「保険料はいくらまで払えますか?」とよく聞かれます。保険業界の悪い習慣ではありますが、この質問から始めること自体が間違っています。

払える金額を先に決め、その範囲で商品を組み立てる。これでは、顧客に必要な保障を考えているのではなく、顧客が払える金額に商品を合わせているだけです。必要な保障が足りないこともあれば、反対に、不要な保障へ保険料を払い続けることもあります。

先に計算したいのは、保険料ではなく必要保障額です。必要保障額とは、もしものときに不足するお金のことです。

営業職員に「私の必要保障額はいくらですか?」と聞いてみるとよいと思います。残念ながら多くの営業職員は、必要保障額について説明することができません。しかし、本来はそこを整理してから、それに合う保険を探すべきです。

保険料はその後で、必要な保障を無理なく維持できるか判断するために確認するものです。必要保障額の具体的な計算方法は、別の記事で扱います。

要点 2

「いくら払えるか」ではなく、「いくら不足するか」から計算する。

生きていくための保険から考える

保険を考えるなら、まずは自分が生きていくために必要な保障から着手するのがよいと思っています。病気やけがで働けなくなれば、収入が減る一方で、治療や生活にかかる支出は続きます。

そのため、私なら就業不能保険、医療保険、がん保険から考えます。亡くなった後の保障だけでなく、生きている間に生活が立ち行かなくなるリスクを先に確認したいからです。

もちろん、これらすべてに必ず加入すべきという意味ではありません。公的保障、勤務先の制度、貯蓄でどこまで対応できるかを確認し、それでも受け止めきれない部分があれば、民間保険で補います。

必要な保障を手放してまで投資をすべきではない

昨今、「保険を解約し、その保険料を投資へ回せ」と勧める人たちをよく目にします。私は、必要な保障まで一律に解約させる考えには反対です。

保険と投資は役割が違います。投資は将来の資産をつくるためのものであり、保険は今起きるかもしれない大きな損失に備えるためのものです。

特に、まだ十分な資産がない人が毎月投資を始めても、生活を支えられる金額になるまでには時間がかかります。必要になった時点で、投資した資産が値下がりしている可能性もあります。

保険を解約する前に、病気やけがで働けなくなった場合の損失を、今の資産だけで負担できるか確認するべきです。負担できない部分まで手放して投資へ回すのは、資産形成ではなく、必要な保障との交換になってしまいます。

不要な保険を残す必要はありません。必要な保障を確保しながら投資を始め、資産が増えたら保障を見直す。私はこの順番がよいと考えています。

商品を選ぶのは、そのあと

目的と必要保障額が決まって初めて、どのような保険が必要か、保障期間をどうするかといった商品の比較に進めます。

最初から正確な金額を出す必要はありません。まずは、誰のどのようなリスクに備えるのか、足りなくなる金額はいくらか。この二つを順番に考えることが、保険選びの入口です。

まとめ

保険選びで最初に考えるのは、商品名でも、毎月払える保険料でもありません。

  • 保険の目的はリスクヘッジであり、加入すること自体を目的にしてはならない
  • 保険料ではなく、必要保障額から考える

保険は多ければ安心というものでも、すべて不要というものでもありません。自分では負担しきれないリスクだけを保険に任せる。それが、保険を選ぶときの出発点だと私は考えています。

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